パルスオキシメータの疑問

パルスオキシメータの疑問

2021年11月01日

病院の医療機器の管理をしている部署、臨床工学科からコロナ禍で必要不可欠となっているパルスオキシメータについて紹介します。 そもそも、パルスオキシメータで表示される値は何? あの赤い光は何? の2点について説明します。
 肺から取り込まれた酸素は、赤血球に含まれるヘモグロビンと結合(酸化ヘモグロビン)し、赤血球が血液に乗り酸素の少ない組織に行くとヘモグロビンから酸素が放出(還元ヘモグロビン)します。ヘモグロビンに酸素が何%結合しているか、皮膚を通して調べた値が表示されています。
 原理ですが、酸化ヘモグロビンは赤外光をよく吸収し、還元ヘモグロビンは赤色光をよく吸収するという特性の違いを利用して、2つのヘモグロビンの比率を求めて酸素飽和度を測定しています。つまり、あの赤い光は赤色光です(図1参照)。
 便利なパルスオキシメータにも弱点があります。指の血流の影響を受けやすいため、指先が冷たいときには正確に測定できません。指を温める、または他の指につけかえてみてください。