検査の豆知識 2017年

Q.胸水の検査
 肺の外側は胸膜とよばれる薄い2枚の膜でおおわれています。「胸水」とは、この2枚の胸膜の間にたまった液体のことをいいます。胸水は健常人でも少量は存在していますが、たまりすぎると肺が圧迫されて咳が出たり息苦しさを感じるようになります。この原因を調べるために、肋骨の間から針を刺して胸水を採取します。
 胸水は、炎症やがんなどによる滲出性(しんしゅつせい)と、心不全などの非炎症性による漏出性(ろうしゅつせい)に分類されます。採取された胸水の色や濁り具合を見たり、蛋白量や比重、pH、赤血球や白血球の量などを調べてどちらの胸水に該当するかを判断し、原因を特定していきます。それ以外にも、感染症が疑われれば細菌の有無を検査したり、がんが疑われれば細胞診検査をすることもあります。

Q.喘息を調べる「呼気一酸化窒素(NO)検査」
 喘息は、ダニやホコリなどの刺激でアレルギー反応が起こり、咳や痰、「ぜーぜー」という喘鳴(ぜいめい)などの様々な症状が出ると言われています。
 アレルギー反応には好酸球という細胞が関わっており、好酸球によって気道に存在している酵素が活性化され、一酸化窒素(NO)が作られます。このため呼気中のNO濃度を測定することは喘息かどうか判断する目安になり、また治療効果をみるためにも行われます。
 検査方法は専用の機械を用いて行います。完全に息を吐ききった状態で、専用のマウスピースをくわえ大きく息を吸い込み、一定の速度で10秒間息を吐き続けます。患者さんの協力が必要ですが、比較的簡単に行うことができる検査です。検査直前の飲食や喫煙は結果に影響が出ますので、1時間前から控えていただく必要があります。

Q.甲状腺の働きと検査
 甲状腺は首の前方、のどぼとけの下に位置し、大きさは縦に4cmほどで蝶が羽を広げたような形をしている臓器で、食物に含まれる(特に海藻類に多い)ヨウ素を材料にして甲状腺ホルモンを合成します。
 このホルモンと、脳の下垂体と呼ばれる場所から分泌される甲状腺刺激ホルモンがお互いに分泌量の調節を行うことで、私たちの体に必要なエネルギーをつくったり、たんぱく質の合成に関わっています。
 甲状腺の機能を調べるには、血液中の甲状腺ホルモンの量を測定します。量が多い場合は甲状腺の機能が亢進しているため、甲状腺の腫れ、動悸、多汗などの症状が現れ、少ない場合は、だるさ、乾燥、むくみなどのさまざまな症状が現れます。
 その他にも必要に応じて、超音波検査やCTなどの画像検査や、穿刺吸引細胞診などの検査が行われることがあります。

Q.血が止まる仕組み
 出血した血液が止まることを止血といいますが、その仕組みには主に血液中の「血小板」という細胞と、「凝固因子」という蛋白質が関係しています。
 血管に傷がつくと血小板が傷口に集まってくっつきフタを作ります。しかし、この血小板のフタはもろく不安定です。さらにいくつもの凝固因子が働いてフィブリンと呼ばれる繊維状の蛋白が作られます。それが網目状に重なって、もろかった血小板のフタを覆い固めることにより丈夫なもの(血栓)にし傷口をふさぎます。
 血小板と凝固因子はどちらも採取した血液を使って検査します。血小板の検査は、血液中に含まれる数を機械で測定します。凝固因子の検査は、血液が固まる速度を機械で測定することでその働きを調べます。
 血小板数が少ない場合や、血液の固まる速度が遅く凝固因子の働きが低下している場合は、出血した血液が止まりにくい可能性があります。
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