糖尿病・内分泌・腎臓・透析内科

糖尿病・内分泌・腎臓・透析内科feature

当科では糖尿病を中心として、甲状腺などの内分泌疾患、糖尿病腎症をはじめとする腎疾患、末期腎不全に対する腎代替療法まで包括的に診療を展開しています。
糖尿病は病院全体で薬物療法を必要とする患者さんは約3000名、インスリン、GLP-1RAなどの注射製剤使用者が約850人通院されています。初期教育を重視しており、毎週糖尿病教室を開催し、2005年からは一泊教育入院を開始して、のべ500例ほど施行しております。
注射製剤の導入などにあわせた標準的な教育入院は約1週間程度行っています。インスリンなどの導入は外来や週末のみの入院も可能です。糖尿病の合併症管理は、腎症は当科で継続的に対応していますが、循環器、脳出血、足病変、眼合併症などの疾患は他科と連携して、包括的に対応しています。
血糖コントロールの指標では、特にインスリン使用者でTime in range(TIR)が重視されるようになり、強化インスリン療法例では積極的に持続グルコースモニタリングを施行しており、現在約150例で施行しています。
血液浄化療法センターでは50台のコンソールで年間約30例の透析導入、血液透析120~130例、腹膜透析4例の維持透析を行っています。バスキュラーアクセス(VA)のPTAは年間50~100例、長期留置カテーテルは年間10例程おこなっており、VA造設は心臓血管外科に迅速に対応していただいています。

主な疾患

糖尿病・代謝疾患
(糖尿病全般、代謝異常)

慢性腎不全

ネフローゼ症候群

甲状腺疾患

主な検査・設備

HbA1c
(ヘモグロビン・エーワンシー)

血液の主成分である赤血球の中にはヘモグロビンという蛋白質があり、全身に酸素を運ぶ働きをしています。 ヘモグロビンには血液中のブドウ糖と結合する性質もあり、ブドウ糖と結合したヘモグロビンをHbA1cといいます。 血液中のブドウ糖が増える(血糖値が高くなる)と、ヘモグロビンと結合するブドウ糖が増えるのでHbA1cも高くなります。
HbA1cは採血したときからさかのぼって1~2カ月間の血糖状態を教えてくれています。このため、HbA1c値が基準範囲内であれば1~2カ月間の血糖値の推移は良かったといえます。また、直前の食事の影響を受けないという特徴もあり、血糖値と共に糖尿病の診断に有効な検査です。

血糖値

食べ物に含まれる糖質(糖分)は、私たちの体に入るとブドウ糖に形を変えて血液の中に出てきます。この血液中のブドウ糖のことを血糖といい、血糖値とは血液中にどの位のブドウ糖があるのかを表す数値です。 血糖値は一日の中でも上がったり下がったりします。
特に食事の影響を強く受け、空腹の時の血糖値は低く、食事をとった後は高くなります。血糖値をみる時には、食事の内容や採血をした時間などを考慮する必要があります。血糖は体を動かすためのエネルギー源であり、なくてはならないものですが、血糖値は高すぎてもまた低すぎても体に不具合が出てきます。

自動で測れる血糖測定器
「リブレ」

リブレとは、インスリン自己注射を行っている糖尿病患者さんが血糖値の自己管理を目的として使用する血糖測定器です。 二の腕に500円玉位のセンサーを装着し、手のひらサイズの測定器を近づけるだけで血糖値が表示されます。 リブレは間質液(細胞と細胞間の液体)の中の糖を測定しているため、実際の血糖値とは若干の差がありますが、血糖値を反映した値となっています。 センサーに付いている針は非常に細く、装着時の痛みはほとんどありません。また、最長14日間使用でき防水加工のため、装着したまま入浴や水泳など普段通りの生活が可能です。 センサーは自動的に15分ごと血糖値を測定しており、食事内容や量、運動などでどのように変動するのかいつでもすぐに確認できます。
また、睡眠中の低血糖(夜間無自覚低血糖)も知ることができます。インスリン注射をしているのに、血糖コントロールがうまくいかない患者さんの生活改善にも役立ちます。

神経伝導速度検査

神経伝導速度検査では、運動神経(脳からの命令を筋肉に伝える神経)と感覚神経(手足で感じた刺激を脳に伝える神経)に異常がないかを調べます。糖尿病では手足がしびれたり、感覚の低下、痛みが感じにくくなることがあります。このような症状がある時、原因が神経なのかどうかを調べるために検査を行います。検査方法は、皮膚の上に電極を貼り、神経を電気で刺激して、電気の伝わる速さや反応の大きさなどを評価します。
神経に障害があると電気の伝わる速度が遅くなったり、反応が小さくなります。
検査をすることによってどの神経が、どこでどのように障害されているかを判定することができます。

主な治療方法

糖尿病の治療

糖尿病は慎重な管理が必要な慢性的な病気であり、
現在の医学では完全に治療することはできません。

1生活様式の変更

食事、運動、体重管理などの生活様式の改善が重要です。
バランスの取れた食事や適度な運動が血糖値のコントロールに役立ちます。また、過度の体重や肥満の管理も重要です。

2薬物療法

糖尿病の種類に応じて、インスリン注射や経口血糖降下薬の処方が行われます。
これらの薬は血糖値を管理し、合併症のリスクを軽減するために使用されます。

3血糖自己モニタリング

自宅での血糖値の測定は、
食事や薬の効果を把握し、糖尿病管理を向上させるために用います。

4合併症の管理

糖尿病は、心血管疾患、腎臓病、眼の問題などの合併症を予防する必要があります。
定期的な合併症検査や予防的なケアが重要です。

5継続的なフォローアップ

定期的な医師の診察を受け、治療の評価と調整を行う必要があります。
個人に合わせた治療を患者さんと医師、看護師、管理栄養士などが連携してフォローアップを行います。
糖尿病の管理には努力が必要ですが、正しい治療と自己管理により、症状の改善や合併症のリスクの軽減が期待できます。

透析療法

慢性腎臓病患者に対して行われる治療法の一つです。
通常、腎臓は血液中の不要な老廃物や水分を体外に排出する役割を担っていますが、腎臓が正常に機能しない場合、これらの物質が体内に入り込み、健康に悪影響を及ぼすことがあります。
透析療法は、腎臓の機能を人工的に代替する方法として使用され、血液中の化学物質や電解質のバランスを調整し、体内の老廃物を除去することができます。
透析療法には血液透析と腹膜透析の2種類があり自身の症状やライフバランスに応じて選択することになります。

血液透析(HD)

シャントと呼ばれる人工的に増設した血流量の多い血管からポンプを用いて血液を取り出してダイアライザーと呼ばれるろ過装置で浄化した血液を体内に戻します。
一般的には週3回×1日4時間行う必要があります。

腹膜透析(CAPD)

お腹の中に透析液入れ、腹膜を通して体内の不要な老廃物や水分を除去する治療法です。
腹膜とは、内臓を覆っている膜状の臓器で、血管と密接に接しています。一定時間透析液を入れておくことで老廃物や余分な水分が透析液に移動することで体内から除去することができます。
1日に3~5回透析液を入れ替える必要があります。

シャントPTA

透析シャントは閉塞や狭窄を起こすことがあり、透析がしにくくなったり全くできなくなってしまうことがあります。
血管内に風船のついたカテーテル挿入し、風船を膨らませることで内側から血管を拡張することで閉塞や狭窄を解除する治療法です。

医師紹介

近藤 照貴(こんどう てるき)

近藤 照貴(こんどう てるき)

糖尿病センター長

1982年卒

資格

  • 日本内科学会認定内科医、
    総合内科専門医・指導医
  • 日本糖尿病学会専門医、
    研修指導医、評議員
  • 日本透析医学会専門医・指導医
  • 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医、
    指導医、功労評議員

所属学会

  • 日本内科学会
  • 日本糖尿病学会
  • 日本透析医学会
  • 日本内分泌学会
  • 日本腎臓学会
  • 日本甲状腺学会
中山 一孝(なかやま かずたか)

中山 一孝(なかやま かずたか)

腎臓内科・透析内科部長

1999年卒

資格

  • 日本内科学会認定内科医

所属学会

  • 日本内科学会
  • 日本腎臓学会
  • 日本糖尿病学会
高井 悠真子(たかい ゆまこ)

高井 悠真子(たかい ゆまこ)

2020年卒

所属学会

  • 日本内科学会
島田 美貴(しまだ みき)

島田 美貴(しまだ みき)

非常勤医師

1987年卒

資格

  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本腎臓学会腎臓専門医、指導医
  • 日本医師会認定産業医
  • 日本臨床検査医学会管理医

所属学会

  • 日本内科学会
  • 日本腎臓学会
  • 日本透析医学会
  • 日本糖尿病学会

診療実績

2020年 2021年 2022年
入院
糖尿病
教育入院
14 9 10
外来
在宅自己注
管理患者
873 864 856
合併症 18 28 45
透析予防 11 10 11
甲状腺
エコーガイド
下穿刺細胞診
26 44 35
腎臓
透析導入患者数 29 26 32
シャント形成術 25 30 30