リハビリテーション科

リハビリテーション科の
特徴feature

高齢化社会を迎え、脳卒中や骨折などで動けなくなった方が増えています。当科はリハビリスタッフをそろえ総合的なリハビリテーションを提供します。回復期リハビリテーション病棟では患者さん皆でやる「集団立ち上がり」、オーダーメイドのベッド環境整備、障害を持った方が使いやすい「前手すり型車いすトイレ」など40年の歴史の中で作り出したオリジナルな取り組みで皆さんの回復をお手伝いします。介護サービスや患者会と協力し退院後も実りある生活を目指しています。

主な疾患

脳卒中

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、などの脳が障害を受ける病気です。障害を受ける部位によって失語や四肢の麻痺、視野欠損などさまざまな症状が現れます。治療は薬物療法と手術がありますが、治療後は片側の麻痺や失語症などの後遺症や合併症が残る場合があります。治療後早期からリハビリテーションに取り組むことで早期離床、機能回復、そして退院後の社会復帰を目標に日常生活動作の回復を図ります。

整形外科疾患

整形外科疾患の手術後の患者さんは
日常生活動作の改善が見込まれる期間に回復期リハビリテーションを行うことが効果的です。

主な検査・設備

嚥下内視鏡検査(VE)

食べ物を飲み込む動作に障害があるかを確認する検査です。鼻からカメラをのどの上まで挿入して
実際に食べ物の飲み込む様子を観察することで嚥下機能の評価をすることができます。

嚥下造影検査(VF)

レントゲン透視装置を用いて造影剤を混ぜた飲食物の飲み込む様子を観察する検査です。咽頭や食道、胃へ流れていくようすを観察し、嚥下機能の評価をすることができます。

スーパーらくらく手すり

ベッドには当院開発の移乗用手すり「スーパーらくらく手すり」「スーパークッション」等が設置され、麻痺などでバランスがとりにくい患者さんでも安全に移乗動作を行うことが可能となります。
ベッドサイドでの転倒を防ぎトイレ動作自立の訓練に大きく役立っています。

すべる入浴台

浴室では片麻痺患者さんが入りやすい工夫として移動が楽な「すべる入浴台」を考案し設置しています。また、退院後の指導にも導入しています。

前手すり型車椅子トイレ

片麻痺の患者さんが使いやすい「前手すり型車椅子トイレ」を考案し、排泄自立重視の医療活動を行っています。

主な治療方法

理学療法

運動療法、物理療法を用いて、
主として関節や筋肉などの機能の回復を図り、基本的動作(起きる、座る、立つ、歩く)の訓練を行うことで日常生活動作の改善を目指します。

作業療法

作業活動を通じて、主として手の機能回復させることを目的とします。道具の利用や動作の工夫を行い日常の生活が楽になるように実践的な動作練習を実施しています。

言語聴覚療法

脳の損傷で言語機能や聴覚機能が低下しコミュニケーションに問題が生じた方や、摂食・嚥下機能に障害がある方に対し、
機能の回復、能力の向上、維持を目的とし話すこと、飲み込むことへのさまざまな練習をしています。

立ち上がり練習

毎日、病棟で集団立ち上がり練習50回を行います。
リハビリスタッフと1日の目標を設定し、自主トレーニングも積極的に取り組みます。

訪問リハリビテーション

当院では、訪問リハリビテーションも行っています。詳しくはこちらをご覧ください。

医師紹介

中野 友貴(なかの ともき)

中野 友貴(なかの ともき)

リハビリテーション科部長

1977年卒

資格

  • 日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医
  • 日本リハビリテーション医学会指導医責任者
  • 日本リハビリテーション認定臨床医

所属学会

  • 日本リハビリテーション医学会
  • 転倒予防学会
浦田 彰夫(うらた あきお)

浦田 彰夫(うらた あきお)

リハビリテーション科医長

1990年卒

資格

  • 日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医
  • 日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士

所属学会

  • 日本リハビリテーション医学会
  • 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
  • 日本ボツリヌス治療学会

西澤 明弘(にしざわ あきひろ)

非常勤

1995年卒

資格

  • 日本リハビリテーション医学会認定臨床医
  • 日本リハビリテーション学会
  • 日本精神神経学会

診療実績

回復期リハビリテーションを要する状態の区分別内訳

入院患者の構成2023年1月~2023年3月に回復期リハビリテーション病棟から退棟した患者数:62人

脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、
くも膜下出血のシャント術後、脳腫瘍、脳炎、脊髄炎、多発性神経炎、多発性硬化症、腕神経叢損傷等の発症若しくは手術後の状態または義肢装着訓練を要する状態
39人
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節若しくは膝関節の骨折または2肢以上の多発骨折の発症後または手術後の状態 13人
外科手術または肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後または発症後の状態 10人
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節または膝関節の神経、筋または靱帯損傷後の状態 0人
股関節または膝関節の
置換術後の状態
0人
合計 62人