自分の場合、まずは働く場所から考えました。大学は県外に出ていたので、長野に帰ってきたいなと思って、県内の大学病院と地元の公立病院に見学に行きました。長野中央病院では、研修医の先生たちが主治医として責任をもって仕事をしている所を見て、決意しました。

 　もちろん、いきなり主治医として治療していく事に不安はありました。ですが、研修プログラムとして最初の4か月のうち、1ヶ月はレクチャーとオリエンテーションを行い病棟業務に備え、3か月は導入期研修(※)で後期研修医の先生がついて病棟での指示の出し方や入院でのマネージメントの仕方について教えてくれるプログラムになっています。

 　主治医として治療を行っていくうえで、必要なことを徐々に積み上げていくプログラムだったので、ここなら安心して研修が受けられると思いました。
 　病棟管理については、見学して思った通りに無理なく身に付けることができました。内視鏡や救急対応についても、通年制の研修システムになっており、ローテーションする科ごとで分割されていない分、知識や技量の定着を無理なく行うことができました。

 　地域研修は、実家近くの病院で行い往診を中心に研修しました。その研修を通して、地域で実際に暮らしている患者様の姿を見ることで、どのようなサービス、医療行為が行われ患者様の生活が成り立っているのかを具体的に考えることができるようになりました。地域の需要にこたえて、診療科や介護サービスの拡大をしていきた歴史もあるからこそできた研修だと思っています。

 　幅広い研修内容で様々な視点から患者様を診られるようになることも、長野県民医連の研修の特徴だと思います。
 　今は後期研修医として、循環器内科医を専攻しながら内科総合と循環器の担当として初期研修医の先生の指導もしています。指導を通して診療を振り返る事ができ、自分の気付いていなかった視点で研修医の先生から疑問を投げかけられることもあり、勉強になることも多いです。循環器内科としては、心臓カテーテルの診断・治療に携わることができています。

 　初期研修で築いたこと礎にしながら、総合的な分野と専門的な分野の両方を研修ができており、今後地域に必要とされる医師に近づいている実感が持てています。