なるほど!シリーズ 2023年

食欲の秋、到来

長野中央病院栄養科
 今年の夏も暑い日が続きましたが、暦の上では秋です。「食欲の秋」「スポーツの秋」「芸術の秋」と魅力の多い季節ですが、皆さんはどのように過ごされますか?なかでも秋はたくさんの美味しい食材が旬を迎える季節でもあるため、今回は食材の「旬」についてです。
 そもそも「旬」とは、野菜や魚の出盛り期や食べごろの時期を言います。旬の食材には2つの特長があり、1つ目に栄養価が高く、食材によってはビタミンCで2倍も違うことがあります。2つ目にたくさん収穫できるため、価格が安価といった点があります。
 ちなみに、秋の代表として秋刀魚やきのこ等があります。最近では秋刀魚の価格が高騰していて食卓に上がる機会も減りましたが、きのこは価格が安定しています。夏の疲れがまだ残るこの時期、旬の食材を取り入れて元気に楽しみましょう!

カテーテル検査の止血について

長野中央病院心臓病センター
 心臓カテーテル検査は、おもに虚血性心疾患の診断を行います。カテーテルとは、直径約1.7㎜程度の細い管のことで、この管を手首・肘・鼠径の動脈から挿入します。検査・手術の内容にもよりますが、8割程度の患者さんが手首の動脈からカテーテルを挿入します。
 検査後は空気の圧力で止血を行うバンドを手首に巻きます。状況により手首を固定するための添え木を併用します。はじめはきつく感じますが、止血を確認しながら時間毎、空気を抜き緩めていきますので、ご了承ください。平均4時間程度で止血されます。
 動脈は非常に圧力の強い血管で、一般的な採血で針を刺す静脈と違い止血に時間がかかります。止血中は手首を動かすことは避けていただきますが、歩行や食事などは通常通り行えます。
 順調に止血が行えた場合でも、検査後”あざ”になることがありますが、数日から数週間で消失します。


手首の止血例
おしっこの色からわかること

長野中央病院・臨床検査科
 普段、自分の尿の色を見ることはありますか?健康な人の尿の色はうすい黄色からむぎわら色ですが、起床時や汗をたくさんかくような運動後には脱水気味となるため少し色の濃い尿が出ます。その他、食事や飲んでいるお薬によっても色が変化することはあり、いつもと違うことが即異常ではありませんが、注意したい色もあります。
 例えば、ピンク色や赤色はいわゆる血尿の状態で、尿が排泄されるまでの間に出血が起きている可能性があります。また、白っぽく濁り臭いも強い場合には膀胱炎などが疑われ、尿の中に白血球や細菌が混ざっていることがあります。
 このような場合、受診をすると尿をコップに採って検査を行います。まずは、尿試験紙というリトマス紙のようなものを使い、血液成分やタンパク、糖などの有無を調べます。次に、尿沈渣検査という尿の中の細胞成分を顕微鏡で観察することで、赤血球や白血球がどのくらい出ているか、細菌がいるか等を確認します。これらの結果が病気の原因を特定する一助となります。
 ただし、尿の色に問題がなくても何かの病気が隠れていることもありますので、健診などで定期的に尿検査を行うことが重要です。

杖の正しい使い方

長野中央病院リハビリテーション科
 杖を買ったけれど、なんとなく使っていませんか?杖は自分に合った長さと使い方で、痛みが減ったり、歩きやすくなったりします。
 杖の長さは、楽に立った姿勢で手首のしわの位置と、杖の持ち手が同じ高さが自分に合った長さです(写真参照)。
 間違いやすいのは杖の握り方です。持ち手の短い方が前で、長い方を後ろにして、人差し指の間に挟んで持ちます。
 杖を持つ手は、足に痛みがある人は、痛みのある足と反対側の手(痛くない側)で持ちます。痛い側の手で持つと痛い足にさらに体重がかかってしまい、痛みが強くなる可能性があります。足に痛みがないけれど、歩くのが不安定な場合は、持ちやすい方で持ちます。
 杖のつき方は、歩くのを意識してしまうと、手と足が一緒に出てしまいロボットのような歩き方になってしまいます。普段通りに歩いて、腕の振りに合わせて自然につけば杖と足が合ってきます。
 普段使っている杖でも、自分の身体に合っているかチェックしてみて下さい。

レントゲンの体位には理由があります

長野中央病院・放射線科
 レントゲン診断において、重力は重要な役割を持っています。体位によって、臓器や血液の位置が変わるため、画像の解釈に影響を与えるからです。たとえば、
 胸部レントゲン:通常は立ったまま撮影します。お腹の臓器が重力によって下側に引っ張られ、肺がより広がっている状態で観察ができるからです。一方で、胸水(肺にたまった水)は横向きに寝て撮影することで検出できます。
 腹部レントゲン:臥位の場合は、内臓がまんべんなく広がって、お腹の観察が容易になります。一方で、消化管穿孔(せんこう)で漏れ出した腸内ガスは立位撮影で検出できます。
 整形外科のレントゲン:たとえば膝(しつ)関節や腰椎の撮影では立位が多くなります。これは、関節のすきまの重力による変形を見ています。
 患者さんからすると、「具合が悪いのに立たせるのはなぜ?」と思うかもしれません。しかし、適正な体位の撮影に理由があります。病気発見のため、可能な範囲でご協力をよろしくお願いします。

お薬を飲むときの飲み物は?

長野中央病院薬局
 「薬をお茶で飲んでもいい?」尋ねられることの多い質問です。
 一般的に飲み薬は、コップ1杯程度(約200cc)の水か、白湯と一緒に飲むことが基本です。これは、お薬を水で溶かして吸収しやすくするためです。
 まれに、水なしでそのまま飲むツワモノさんがいらっしゃいますが、水なしで溶けるタイプのお薬(口腔崩壊錠など)以外は、お薬がのどや食道に引っかかり潰瘍になる恐れがあるため、十分な水で飲む必要があります。
 さて、お茶とお薬の飲み合わせですが、実はあまり影響がないといわれています。
 貧血を治療するための「鉄剤」というお薬は、お茶に含まれるタンニン(カテキン)とくっつき、吸収されにくくなることが知られていますが、一方で貧血の改善に差はないという報告があります。濃いお茶にはタンニンが多く含まれるため、毎回濃いお茶で飲むのは避けていただければ、「鉄剤」でもお茶で飲んでかまいません。大切なことは、お薬を毎日飲むことです。

2月1日は『フレイル:2( ふ) 、0( れ) 、1( い) 』の日
~気をつけたい高齢者の少食と低栄養~

長野中央病院・栄養科
 高齢になるにつれて、歯や義歯のトラブル、飲んでいる薬の副作用、持病の悪化など、さまざまな要因から食が細くなり体重が減ってきて・・・
 個人差はありますが、少食が健康な生活を維持できなくなるほどの低栄養状態を招く可能性があります。食べる量が減りエネルギー不足となり、血や肉をつくる蛋白質不足状態が長く続くとサルコペニア( 筋力低下) に。その結果、要介護状態に進行する危険のあるフレイル( 虚弱) となり、活動量低下の悪循環に陥ってしまいます。
痩せると筋力が落ちて外見だけでなく、「食べる」ための筋肉も落ちてしまうこともあります。そのような状態では、食事の際にむせることが多くなったり、食事の最中に疲れてしまったりして、必要な栄養量がとれなくなってしまいます。
 そのような時には、喉越しの良いものを選んだり、3回の食事だけでなく4~5回と小分けに食べるなどし、必要な栄養量の確保を心がけていきましょう。


1 食 600-700kcal の食事量
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