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冠動脈バイパス手術(CABG)

  • 狭心症や心筋梗塞など動脈硬化が主な原因となり冠動脈が狭窄や閉塞することで起こる虚血性心疾患に対して行われる外科的手術です。経皮的冠動脈形成術(PCI)で適応できない疾患に対して行われます。冠動脈が狭窄・閉塞した部位のその先の心筋への血流を確保するために、新たに別の血管を狭窄・閉塞部の先へ吻合します。バイパスに使用する血管は、患者さんの状態により選択されます。
    冠動脈バイパスの図

    画像出典:インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラス

  • 適応する疾患

    冠動脈疾患
    (狭心症・急性心筋梗塞)

  • 術前検査

    • ・血液検査
    • ・心電図検査
    • ・トレッドミル負荷試験
    • ・心臓超音波検査
    • ・心臓CT
    • ・心筋シンチグラフィー
    • ・冠動脈造影検査
  • 治療方法

    患者さんの体からバイパスとして使用する血管(グラフト)を採取します。グラフトには前胸部の内胸動脈や手首にある橈骨動脈、下肢にある大伏在静脈、胃の胃大網動脈などの冠動脈の太さと同程度の血管を使用します。 冠動脈の狭窄・閉塞している部分よりも先の冠動脈に穴をあけてグラフトを吻合します。
    冠動脈バイパス術は全身麻酔下により行う治療です。手術方法は心臓を止めて心臓と肺の機能を人工心肺装置が代替するオンポンプ手術(on-CABG)と心臓を動かしたまま手術を行うオフポンプ手術(off-CABG)があります。どちらもメリット・デメリットがあり、オンポンプ手術では心臓を止めて血管を吻合するため、より質の高い吻合が期待できます。一方、オフポンプ手術では人工心肺の使用による身体的な負担を回避できるメリットがあります。当院では人工心肺を使用しないオフポンプ手術を第一選択としていますが、患者さんの状態に合わせた手術方法の選定を行っています。
  • 治療の種類

    オフポンプバイパス術

    1990年代より人工心肺を使用せず、心拍動をさせたまま行うオフポンプ手術が増加し、現在では冠動脈バイパス術(CABG)の約2/3がオフポンプバイパス術(off-CABG)によって行われています。従来のオンポンプ手術(on-CABG)と比較すると、バイパスをする部分だけを器具で固定し、心臓を動かしたまま手術を行うため、高い技術が必要な手術ですが、人工心肺の使用による合併症が回避され患者さんの体にかかる負担は少なくてすみます。それにより高齢者や腎臓の悪い患者さんなど手術リスクの高い患者さんでも安全に手術を行うことができます。
    手術時間

    約2~5時間
    (吻合する血管の数や場所により異なります)
    ※手術室への入室から病棟へ帰るまでの時間

    麻酔

    全身麻酔

  • 入院期間

    約20日間

    入院 手術 集中治療室(ICU) 退院

    ※入院期間はあくまでも目安であり、患者さんの状態によって異なります。

  • 入院費用

    ※冠動脈バイパス手術は高額療養費制度が適応されます。費用は年収や年齢によって異なります。

    高額療養費制度について

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